暮らしに潜むリスク

仕事の言葉、家庭の言葉

 仕事のために身につけたもののなかには、家庭でも通用するものがある。逆に通用しないものもある。「部下がこまっているのを察する」能力などは前者だろうか。ではロジカルコミュニケーションはどうだろう。

 確かに、コミュニケーションは大事である。今の若い世代の男性は結婚した奥様に言葉をかけるだろうが、わたしの世代(団塊世代)の男性は結婚すると、釣った魚にえさはやらないとばかり、必要以上の言葉をかけないという人が多い(と感じる)。わたしの夫も「おい」とか「めし」とか単語しか言わない。「感謝の気持ちをひとこと言ってくれれば、もっとあなたのために頑張るのに」とよく思ったものだ。

 だが、家庭でロジカルコミュニケーションを強調すると家族の会話がギクシャクすることがある。もちろん家庭でもロジカルな考え方が必要なこともあるが、感情、情緒が優先される場面が多々ある。「そこは理屈で言ってほしくない」ということもあるのだ。このあたりは上手に使い分けていただければと思う。仕事に頑張れるのも家族の支えがあってこそである。奥様を一人ぼっちにすると、奥様は奥様の世界を構築し、定年退職後は自分の居場所がなくなってしまうかもしれない。

 ビジネスの場面でも家庭でも相手の立場に立ち、お互い分かり合えるために言葉を交わす重要性は変わらない。相手に伝える言葉の力はここにある。

●参考文献
   オバマ演説集  オバマ流スピーチのひみつを探る 鈴木健 朝日出版社
   ロジカルシンキング情報館

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