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第53回
伝える力を磨け
~レトリックとロジカルコミュニケーション~
ファイナンシャルプランナー 中田 実千代氏
2009年3月10日
2004年の民主党大会――。オバマ氏が一躍、大統領候補として注目されたのが、この大会の演説だった。「リベラルのアメリカも保守のアメリカもない、アメリカ合衆国があるだけだ。黒人のアメリカも白人のアメリカもない、ただアメリカ合衆国があるだけだ」と一体感を訴え、「Change」「Yes, we can」などのシンプルな言葉でアメリカ人の心をつかんだ。この伝える力がオバマ氏を大統領に導いた。
オバマ氏の演説には、巧みなレトリックが隠されている。レトリックとは、スピーチや文章に豊かな表現を与えるための技法のこと。ギリシャ・ローマの時代から“人々を説得する技術”として学問領域になっている。オバマ流レトリックには三つの特徴があるという。
- 1.実演
- 話す内容をオバマ氏が実演している。上の例の「黒人のアメリカも白人のアメリカもない」は、黒人のオバマ氏だからこそ、実感があり説得力がある。
- 2.繰り返し
- 同じ構文の文を繰り返す。上の例では、「AもBもない、アメリカ合衆国があるだけだ」がそれに該当する。AとBの組み合わせの異なる文が繰り返されている。構造、リズムが整っているため、聴衆は内容を理解しやすい。
- 3.イデオグラフ
- インパクトのある言葉やフレーズを、政治的スローガンとして用いること。上で挙げた「Change(変革)」のほか、「Hope(希望)」などがそれに該当。
日本でもオバマ氏の演説が話題になっており、CD付き演説集が40万部と飛ぶ売れ行きだ。プレゼンテーション力アップのため、演説集を購入したビジネスマンもいれば自分を励ますため毎朝演説を聴いているフリーターもいるそうだ。
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