暮らしに潜むリスク

第49回
2009年のお金の生かし方

ファイナンシャルプランナー 小島 節子氏
2009年1月13日

 「こんなのいままでで初めて!」という言葉を、昨年は多くの投資家から聞いた。投資経験の豊富な人でもこんな総崩れの投資環境は初めて経験したという。

Kさんの損失額

 Kさんは50代の女性。夫は1年前に定年退職し、退職金の一部と貯蓄を足した2000万円で投資を始めた。夫婦でよく話し合って、低金利の銀行に預けておくより少しでも増やそう、老後の年金不足と介護資金の手当てになれば、という共通の思いからだった。リスク回避のために長期投資と分散投資を心がけた。郵便局の6資産分散の投資信託を1000万円買い、あとは個人向け国債を500万円、残りの500万円で日本株のインデックスファンドを買った。

Kさんの例

 損失額は推定400万円以上。Kさんは今、あまりの損失にぼうぜんとしている。まさか自分が100年に一度という金融危機を体験することになるとは想像すらしていなかった。不安は「これ以上の損失はないのか」「じっと持っていればいつか損を取り戻せるのか」ということに尽きるという。

 Kさんだけでなく多くの投資家が同じような心境ではないだろうか。

 昨年の投資の下落幅はどのくらいだったのか――。日本経済新聞のSUNDAY NIKKEIに「08年運用通信簿」(昨年12月14日)という記事が掲載されていた。それによれば、2007年末に約100万円を投資した場合、国内の株式・債券、外国株式・債券、外貨、不動産(REIT)、金 ―― の約1年間の運用成績で、辛うじてプラスになったのは国内債券(変動金利型個人向け国債)のみ。それも利益は1年間で6720円。利回り約0.7%というわずかなものだった。

 損失を被った他の商品例はというと、国内株式(TOPIX連動型ETF)がマイナス45.5%、外国株式のiシェアーズMSCIエマージング・マーケット・インデックス・ファンドがマイナス63.2%で損失額は約63万円にものぼった。あの世界的ファンドの外国債券のグローバル・ソブリン・オープン(毎月分配型)はマイナス18.9%で意外に健闘していた。

 外貨はユーロが成績の悪い代表だと思っていたら豪ドル建てMMFの方がより悪く、マイナス38.8%で、ユーロ建てMMFはマイナス27.9%だった。不動産のREITは予想通り悪くマイナス47.6%、金は予想に反してマイナス25.9%の成績だった。

 昨年はほとんどの金融商品でマイナス、しかもその幅がとても大きく、資産が半分以下になっている人もいる。リスク商品とは投資金を倍にすることもあるが、今回のような大幅な損失を被ることもあるのだ。

 
 

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