暮らしに潜むリスク

第48回
「食べていける子」に育てる父親の言葉

ファイナンシャルプランナー 當舎 緑氏
2008年12月22日

 「不景気」――2008年はこの一語につきた。社会保険労務士であるわたしの周りでも、社会保険料や労働保険料の滞納、倒産、派遣労働者の雇用期間打ち切りなどさまざまな問題が起こり、どこまでいくのか分からないような状況となっている。

 わたしが13年前に経験した阪神・淡路大震災では、会社が払わなければならない社会保険料や労働保険料が滞納され、多くの失業者が数多くでた。だが、納付を猶予してもらったり、会社が休業しても失業手当がもらえるようにしたりと、さまざまな方策が採られた。何より「これから復興するんだから、今さえ我慢すれば」という希望があった。

 ところが今の状況では、「まだ悪くなるのかもしれない」「この先どうなるのか」という不安感しかないように思う。この状況を一番表わしているのは、新卒者の採用内定取り消し件数である。ここ10年で最多の331人(2008年11月25日現在)。この数字も氷山の一角にすぎない。

 こんな不景気の中でも会社員の労働時間が減ることはない。職があるだけいいとの声も聞こえてくるが、現職への不安の表れだろうか、労働相談件数は増加している。職場でのいじめも増加している。

 東京都の2008年度上半期の調査では、職場のいじめの相談は前年同期比54.4%の大幅増加であった(11月発表)。いじめる人は、上司が58.6%でトップ、同僚が24.9%というのには驚かされる。

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