暮らしに潜むリスク

労働者が働き続けられるメンタルヘルス対策

 実は、メンタルヘルス不全者には医療費が助成される。健康保険を使って医療機関で受診した場合には、普通は個人の負担が3割となるのだが、1割で済むという制度がある。詳しくは、厚生労働省のHPを参照していただきたい。これは、労働者の申請に基づき、都道府県が支給認定を行う制度である。

 また、休業した場合には、最高1年6カ月健康保険から賃金の3分の2相当の「傷病手当金」が支給される制度もある。ただし、同一の病気については1回きりだし、会社が変わっても支給期間は合計されるので、もし、前に違う会社で傷病手当金が支給されていたなら、1年6カ月というのは、その最初の支給日からカウントが始まる。必ずしも1年6カ月分がもらえるというわけではない。

 このような制度の細かな点については、自分から聞かなければ、誰かがわざわざ教えてくれるわけではない。会社にまったく来なくなり、利用できる制度のメリット/デメリットを十分に確認できないまま会社から解雇通知をされ失業者となってしまえば、生活はどんどん苦しくなっていく。

 早い段階で、まず、自分が自分の心の不調に気づいてあげる。そして、誰でもいい、周りの人に助言を求めてみて欲しい。ひどくなる前に対応する ―― それが、一生働き続けるための最上の方法だ。

 「心の不調」は、決して恥ずかしいものではない、まじめに働く労働者にとっては誰にでも起こり得る病気だと思う。

 何らかの制度を利用することで、一時的にでも労働者の安心が得られるならば、休職期間が終わって早い時期での復職も可能となる。いったん失業してしまえば、望む形での再就職は非常に難しいのだ。

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