暮らしに潜むリスク

子どものマネーリテラシーをどう育むか

 これらの「分かりにくさ」は、これまでの現金主義と比較した上のものだ。したがって、最初から電子マネーを扱うことを覚えた場合は当たり前のこととなるのだろう。しかし、これらを「分かりにくさ」ととらえる感覚は、今後、電子マネーを扱う者に必要なマネーリテラシーといえるだろう。

 これまで、子どもは少ない小遣いの中から、小銭を握って欲しいものを手に入れてきた。少しずつ小遣いが増え、小銭は札になる。その過程でお金のありがたみ、お金の使い方、計算の仕方、そしてため方を工夫することを覚えてきた。子どもが早くから電子マネーを利用するようになると、このように培われてくるべきお金の感覚は、上記のような複数の「分かりにくさ」から、かなり鈍ることが予想される。

 人のお金の使い方、感覚は、実は子どものころからの使い方に大きく左右されるのではないか。

 電子マネー世代の子どもが大人になるとき、その感覚はどのように変化しているのか、興味深い。一つ言えるのは、子どもには、電子マネーを与える前に、現金を扱う経験をさせることにより一定のマネーリテラシーを確保することが大切ではないかということだ。

 ただし、電子マネーが子どもにとって危険なものというわけではない。電子マネーの使い方などを通して、親のお金に関する考え方を伝え、管理の方法を教えることができれば、お金の管理に強くなることが十分可能だろう。

 日本人はお金を卑しいものとして、話題にしたり、触れることをできるだけ避けてきたきらいがある。今後、お金を電子的に数値で管理するようになると、その感覚も薄らぐというのも、おもしろい見方かもしれない。

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