バックナンバー一覧▼

「場当たり個人情報」から「攻めの情報活用」へ

SAFETY ―― ネット社会の憂鬱

 長々書いてきたが、情報セキュリティにおける SAFETY は、どうなのだろうという話である。最後は少しそのことに触れておきたい。

 わたしは、日本人ほどラベル好きな国民はいないと思っている。

 例えば人間にラベルを張るのが得意である。「あの人はこれこれこういう人だ」「あいつは商売が汚いからダメだ」うんぬん。いったん張られてしまうとはがすのが大変だ。私生活でも職場でもそうである。逆によいラベルが張られると、「○適表示のA氏」として合格、仕事も私生活もうまくいくようななる。キャリアを積む、などはその典型である。

 人間同様、会社にもラベルを張るのが好きだ。最近はあっという間に評判が落ちて、一気に業績が下降する会社の話が多くなったと思う。CSRとか言わなくても、要は世間の評判や評価を高め続けたい、不適切な言い方かもしれないが見栄えの良い会社でいたい、良いラベル表示がほしいという活動を会社は積極的にせざるを得なくなっている。

 問題はネット社会のラベルである。こうした個人や会社のラベルが、ネット上では、とんでもない方向に進みがちで、それ自体が本当かウソか不明なため、どんどんラベル付けが進行してしまう。

 ある芸能人のブログが炎上し、そこに書き込みをしていた数十人の人間が、最近警察によって一斉に検挙・摘発され事件として報道された。罪状は脅迫罪や名誉毀損罪で、書き込んだ当人たちは面白半分で書き込んだに違いなく、まさか警察に捕まるとは思ってなかったと思う。この芸能人が刑事告訴に至ったのは、仕事に影響を及ぼすようになったためと書いてあったが、我慢の限界を通り越していたに違いない。

 個人だけでなく会社もまた、ネット上では散々なネガティブ攻撃を受けている。知らないうちに、だんだんとじわじわと、会社はおとしめられる。ネット上の悪意のあるクチコミやネガティブブランディングが続くと、業績や人事採用にも影響を及ぼすようになる。会社では購入する人が減ったり、契約が打ち切られてりして、業績にも深刻な影響がでてくる。

 見えるラベル(商品の表示)と、見えないラベル(評判、ブランド)。そのいずれもネット社会では何が本物か、本当なのか、事実なのかウソかなど、分からないのである。

 次回はこうした問題を取り上げてみたいと思う。

あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください

SAFETY JAPAN メール

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。