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「場当たり個人情報」から「攻めの情報活用」へ

緊急寄稿
薬害肝炎事件は終わらない(2) ~こうして個人情報は隠された~

ネット情報セキュリティ研究会会長 田淵 義朗氏
2008年2月6日

 薬害肝炎救済法は成立した。マスコミ各紙は「薬害訴訟、全面解決へ」と報じたが、本質的な問題は何ら解決していない。被害を拡大させた事件の真相はいまだ闇の中である。

 1月15日、原告と被告(国)の間で取り交わされた和解基本合意書には、第三者機関による薬害肝炎問題の検証や、国による真相究明と再発防止の規定が盛り込まれた。再発防止のための真相究明とは何か。それは、国(厚労省の官僚)、製薬会社に刑事責任があるのかそれともないのか、それをきっちり問うことにある。

真相の究明なくして再発防止策なし

 再発防止のために検証することは山ほどある。その中で、検証と原因解明の手がかりになる一つのキーワードが「個人情報」である、というのがこの連載の趣旨である。コメント(第1回)にご批判もいただいたので、本稿を書き進める前にこの点を明確にしておきたい。

 このコラムでは、裁判で争点の一つになった、当時の医学水準から見たC型肝炎ウイルスの予見可能性の有無(既知か未知か)、というような医学論争は避けたいと考える。過去の文献や資料を読んでいて心に思うところはあるが、この連載で取り上げることは最小限にとどめたい。

 問題の個人情報とは、「カルテや投薬記録(手術記録、分娩記録など)」のことである。この個人情報が「なぜ薬害問題は繰り返されるのか」という問いに対する検証の有力な手がかりであり、重要な意味を持っている。

 そもそもここまで問題が大きくなったのは、昨年10月16日に舛添厚労大臣が「マスキング(黒塗りして個人のプライバシーを伏せること)をしていない方のリストはない」と答えてしまった後に、地下倉庫からマスキングがない資料が出てきたことにある。「なぜ告知をしてくれなかったのか」という患者の怒りは当然である。

 官僚は「告知は自分たちの仕事ではない」という。リストの情報も「副作用に関する症例リストであり、個人の患者を把握するためのものではなかった」という。それでは行政の責任とは一体何なのか、個人情報と告知の問題を通して、検証する意味は大きい。

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