バックナンバー一覧▼

「場当たり個人情報」から「攻めの情報活用」へ

第12回
今度は「過剰反応」という名のバッシングが始まった
~改善はまず「官尊民卑」を改めることにある~

ネット情報セキュリティ研究会会長 田淵 義朗氏
2006年3月30日

いっせいに始まった個人情報保護法の問題報道

 日本人というのは右向けといわれればみな右、左ならみな左という風に、極端に一方向に走る傾向がある。筆者はこのコラムで個人情報保護法の問題点をずっと書いてきたが、今年2月に入ってからというもの、大新聞、雑誌がこぞって「大混乱! 過剰反応! 個人情報保護法」といった内容の見出しで、いっせいに特集や連載コラムを掲載するようになった。

 マスコミで急に露出が増えた理由は筆者にもよくわからない。考えられるとすれば、保護法施行後、半年を経た昨年11月、国民生活センターが窓口に寄せられた苦情や相談内容を公表し、記者発表した影響かもしれない。また政府が今年2月末に、こうした国民の声を踏まえて各省庁の連絡会議を開催したのだが、このような政府の対応も報道の契機になっていると思われる。

 連絡会議で確認されたことは以下の3点である。

(1)個人情報の有効利用と保護のバランスに配慮した法の趣旨、制度の周知徹底をはかる
(2)運用基準の明確化、現行ガイドライン(指針)の見直しを行う
(3)問題事例の情報共有と迅速な対応をする

 また、国民生活センターには、消費者から9000件を超える(2006年1月末)疑問や意見が寄せられており、この数字は昨年11月末に3000件と報告された数字から大きく伸びており、3月現在では1万件を越えているかもしれない(現在の実数は未確認)。

 今回から、寄せられた声を通して個人情報保護法の問題と今後の対応策について書くつもりだったが、急に多くのマスコミがキャンペーンを張るようになってきたので、これは今後に譲ることにする。今回は、過剰反応がなぜ起きているのか、この点を掘り下げることにしたい。

SAFETY JAPAN メール

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。