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震度7の建築経済学

第63回
マンション女性殺害事件──地裁判決の理不尽

建築&住宅ジャーナリスト 細野 透氏
2009年2月18日

 東京地裁の平出喜一裁判長は、東京江東区のマンションで女性会社員を殺害した犯人に対して、無期懲役の判決を言い渡した。まことに「理不尽」な判決である。殺害された会社員の東城瑠理香さん、死刑判決を期待していたご遺族がお気の毒でならない。

 2008年4月18日夜。東京都江東区潮見のマンションから、女性会社員の東城瑠理香さん(23歳)が失踪した。

 同年5月26日。二つ隣の部屋に住む派遣会社員の星島貴徳容疑者(33歳)が、住居侵入容疑で逮捕され、東城さんを殺害していたことを認めた。

 東城さんが失踪してから、犯人が逮捕されるまでの38日間、社会は「神隠し」にでも遭ったのだろうかと心配し続けた。本コラム(同年4月22日付け)でも、「マンション女性失踪事件の理不尽」と題して、事件に触れた。

 コラムではまず、東城さんは安全に十分な注意を払い、防犯性という観点からは合格点を付けられるマンションを選んでいた、と指摘した。さらに、お姉さんと二人住まいをするなど、行動面でも慎重だったと思われる、と述べた。

 そして、こう結んだ。「この事件を、わたしは建築&住宅ジャーナリストとして見逃すことができない。それは、女性が安全に注意してマンションを選んだように見えるのに、理不尽にも事件に巻き込まれてしまったように感じるからだ。なんとか無事に発見されてほしい」。

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