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震度7の建築経済学

「わずか2%」とあなどるべからず

 最後に、解釈を間違いやすいデータを紹介しておこう。「エネルギー白書2006年版」に掲載されている、図「世帯当たりのエネルギー消費量と用途別エネルギー消費の推移」である。

  1位 動力・照明他 37% 
  2位 給湯 28% 
  3位 暖房 25% 
  4位 厨房 7% 
  5位 冷房 2%

 この数字を根拠に、「エアコンの消費エネルギーはわずか2%なのだから、省エネ努力の優先順位は低くなる」という趣旨のコラムを読んだことがある。しかし、それは勘違いである。

 家庭で使用するエネルギーは、電気、都市ガス、LPガス、灯油、太陽熱と多岐にわたる。エアコンはそのうち電気に依存し、さらに季節的に夏期に集中している。

 同じ「エネルギー白書2006年版」に、「品目別家庭用電力消費の推移」が掲載されている。それを見ると、冷暖房兼用エアコン14.6%、ルームクーラー10.6%、冷蔵庫16.1%となっている。

 そして、東京電力のデータでは、最大電力に占める夏期冷房等需要は35~39%にも達している。

 平均値をとると「わずか2%」かもしれないが、電力に限り、夏期に限り、関東以西に限り、都市に限ると、猛暑のとき停電という形で電力供給システムの生命線を左右する、決定的な「破壊力」を占めているのだ。決して、あなどってはいけない。

 建築系の大学で必ず教わる、徒然草の有名な一節がある。「家の作りやうは、夏をむねとすべし」。家を建てるときには、日射をさけたり風通しをよくするなどの工夫を加えて、夏の暑さに耐えられる構造にすることが肝要である‥‥。

 兼好法師が生きた鎌倉時代および南北朝時代のころから、少なくとも関東地方より西側の地域では、猛暑対策に心をくだいてきた。地球が温暖化し、都市部が周辺部より高温になるヒートアイランド現象が加速していくなかで、その必要性はますます高まっていくはずである。

【参考資料】

1 数表でみる東京電力(平成19年度)
http://www.tepco.co.jp/company/corp-com/annai/shiryou/suuhyou/pdf/suh-all-j.pdf

2 今夏の需給見通しについて(東京電力プレスリリース平成20年7月3日) http://www.tepco.co.jp/cc/press/08070302-j.html

3 過去の最大電力(東京電力)
http://www.tepco.co.jp/forecast/html/record-j.html

4 今夏の最大電力(東京電力、平成20年7月25日)
http://www.tepco.co.jp/forecast/html/maxsummer.pdf

5 この夏も節電にご協力をお願いいたします(東京電力)
http://www.tepco.co.jp/forecast/images/setsuden.pdf

6 平成20年度電力供給計画の概要について(経済産業省、平成20年3月31日)
http://www.enecho.meti.go.jp/policy/electricpower/080331-h20.pdf

7 エネルギー白書2006年版(資源エネルギー庁)
http://www.enecho.meti.go.jp/topics/hakusho/2006EnergyHTML/index.html

8 省エネ性能カタログ 2008年夏版(省エネルギーセンター)
http://www.eccj.or.jp/catalog/2008s-h/index.html

9 家庭の省エネ大事典2008年版(省エネルギーセンター)
http://www.enecho.meti.go.jp/policy/saveenergy/data/katei.pdf

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