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震度7の建築経済学

結局は歩いて帰るしかない?

 しかしながら、東京駅のある千代田区防災ホームページを読むと、「結局は歩いて帰るしかない」と思えてくるから、我ながら腰が定まっていないのであろう。

 千代田区は、震災時に大規模な延焼火災の危険性が比較的少ないと認められて、2003年に広域避難場所の指定を解除した。そのため、区民や在勤者は危険を感じた場合にだけ、「避難所」や「帰宅困難者支援場所」に避難すればいい。

 避難所は、被災した区民の生活を確保するための施設で、区立の小中学校などに設けられる。つまり、「室内」である。

 これに対して、「帰宅困難者支援場所」は推定で約57万人の通勤・通学者や買い物客などを受け入れる場所で、皇居外苑、北の丸公園、皇居東御苑、日比谷公園、外濠公園、真田堀運動場の6カ所が指定されている。つまり、「屋外」である。

 千代田区の夜間人口は約4万2000人であるのに対して、昼間人口は約85万3000人である。そのギャップがありすぎるため、区民には室内を提供できるのに、区民でない帰宅困難者には屋外しか用意できないのである。

 屋外で過ごすことに自信がないのなら、東京駅の構内はどうだろう。これに関して、中央防災会議の「首都直下地震避難対策等専門調査会」第5回会合(2007年3月)で配布された資料では、次のような分析がなされている。

 「帰宅者や帰宅困難者は、交通機関の運行状況等の情報を求め、ターミナル駅に集中し、混乱する恐れがある。駅のコンコース等の空間があっても、余震等により安全が確保できない懸念があり、駅外に誘導する対応がとられる場合が多い」。すなわち、東京駅にも長居できない可能性が高いのだ。

 主要な交通機関が短期間で復旧する見込みがあるのならともかく、開通までに時間がかかりそうで、しかもまともな避難所が不足しているのだから、都心から早めに脱出するしかないではないか。たとえ何キロ離れていようとも、交通機関が運行していそうな地点を目指してひたすら歩く‥‥。

 「帰宅難民・旅行者グループ・100キロ以上派」のわたしには、目下のところ、それ以外の選択肢は思い浮かばない。

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