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震度7の建築経済学

帰宅困難者の行動心得10か条

 焦らずに、頭を冷やしてよく考えよう。政府・中央防災会議はどう指示していただろうか。

 内閣府の2006年8月10日付け記者発表資料、「中央防災会議・首都直下地震避難対策等専門調査会の開催について」に、こんな一文がある。「帰宅困難者が駅周辺や路上に滞留し混乱が生じることを防ぐため、むやみに移動を開始しないという基本原則の周知・徹底、企業・学校等への従業員・児童生徒等の一定期間の収容、徒歩帰宅者に対する情報や一時休憩施設の提供等について具体化を図る 」。

 「むやみに移動を開始しないという基本原則の周知・徹底」とある。しかしながら、その場に「ぼーっ」と立っているわけにもいかない。

 東京都防災ホームページに掲載されている、有名な「帰宅困難者の行動心得10か条」を思い浮かべてみる。

 (1) あわてず騒がず、状況確認
 (2) 携帯ラジオをポケットに
 (3) 作っておこう帰宅地図
 (4) ロッカー開けたらスニーカー(防災グッズ)
 (5) 机の中にチョコやキャラメル(簡易食料)
 (6) 事前に家族で話し合い(連絡手段、集合場所)
 (7) 安否確認、災害用伝言ダイヤル等や遠くの親戚
 (8) 歩いて帰る訓練を
 (9) 季節に応じた冷暖準備(携帯カイロやタオルなど)
 (10) 声を掛け合い、助け合おう

 問題は「作っておこう帰宅地図、歩いて帰る訓練を」の2か条である。各社が出版した「震災時帰宅支援マップ」を調べると、都心からの距離は最も遠方でも50キロ止まりになっている。また、「家まで歩いて帰りました体験ルポ」を読むと、30代の若手でさえ、30キロを過ぎるあたりで「あーあ、やめたい」と弱音を吐いているではないか。

 それを前提にすると、「自宅まで100キロ以上派」にとって、歩いて帰る選択肢は非現実的な絵空事に感じられるのである。

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