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震度7の建築経済学

X線撮影で柱脚を調査

 2番目の論文、「放射性透過試験」はX線撮影によって、清水の舞台を支える懸造(かけづくり)のうち10本の柱について、その柱脚部の内部が腐朽、シロアリ、雨水の浸透などによって、欠損していないかどうかを調べたものだ。

 結論は、「3本の柱の柱脚の下端で、わずかな内部欠損が確認され、柱断面の最大欠損率は36%だった。しかしながら、欠損と雨水との相関関係はなかった」。

 3番目の論文、「経年変化を考慮した耐震性能評価」はさらに念入りだ。清水寺本堂の柱部材の内部欠損を考慮して、花折地震を対象に構造計算を実施した。

 そして、「雨水の影響を直接受ける懸造部の柱脚と柱頭、および本堂部の柱脚の柱断面の50%が欠損している」と仮定した。すなわち、現状より大幅に欠損が進んだ状態を想定したものだ。

 構造計算の結果は、「今回想定した柱脚の内部欠損が、本堂の耐震性能に与える影響は小さい。これは、柱と梁との接合部の多い架構の特性が現れたことによると考えられる」。

 3編の論文を分かりやすく要約すると、「花折地震に対して、清水寺本堂の架構(主要な柱・梁)はある程度のゆとりを残して耐えられる。しかしながら、架構を含めて建物全体があちこち傷むので、地震後には大がかりに補修する必要がある。また、柱の欠損による耐震性の低下は、当面は心配しなくてもよい」。

 つまりは、「清水の舞台」は花折地震では倒壊しないのである。

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