第34回
名古屋では「地震がだんだん怖くなる」
建築&住宅ジャーナリスト 細野 透氏
2008年1月30日
経済が「元気なまち」として、テレビ・新聞・雑誌に取材されることの多い名古屋市だが、地震の研究が進歩すればするほど、「地震がだんだん怖くなるまち」でもある。
時間を少しさかのぼる。1976年8月に東京大学助手の石橋克彦氏(現、神戸大学教授)が、「東海地震が明日起こっても不思議ではない」とする学説を発表。静岡県ではにわかに警戒感が強まったが、愛知県では、どちらかといえば「隣の県の出来事」と見なす空気が強かった。
しかし、2001年6月になって、雰囲気が一変する。国の中央防災会議が「東海地震の新たな想定震源域」を公表したからだ。
東海地震の想定震源域
従来の想定震源域は静岡県の東側(図の赤い領域)だったが、新しい震源域は静岡県の西側(図の青い領域)に広がり、震源域の面積も拡大した。
2枚の震度分布図がある。1枚目は、2001年5月に静岡県が従来の想定震源域をもとに作成した、「東海地震の第3次地震被害想定による震度分布」である。
東海地震の第3次地震被害想定による震度分布
2枚目は、2003年3月に中央防災会議が作成した、「東海地震の新たな想定震源域と震度分布」である。
東海地震の新たな想定震源域と震度分布
静岡県の古いデータでは、震度6強(黄色)~震度7(赤色)のエリアは限定的だが、中央防災会議の新しいデータでは、震度6強(オレンジ)~震度7(赤色)のエリアが一気に拡大。静岡県の政令指定都市である静岡市、浜松市の周辺をすっぽりと覆い尽くしている。そして、西隣の愛知県でも、震度6弱(黄色)~震度6強(オレンジ)のエリアが出現し、名古屋市にまで達している。
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