バックナンバー一覧▼

震度7の建築経済学

壊し尽くし、焼き尽くす

 火災による全焼棟数を表5に示した。

表5 上町断層帯地震の火災による全焼棟数

風速15m/s 風速3m/s
冬05時発生 約30万棟 約10万棟
秋08時発生 約26万棟 約8万棟
冬12時発生 約39万棟 約16万棟
冬18時発生 約37万棟 約15万棟

 冬05時発生、秋08時発生、冬12時発生、冬18時発生という四つのシーンに関して、風速が毎秒15mおよび3mという2ケースで全焼棟数を想定している。

 このうち冬12時に風速15mで発生した場合に、全焼棟数が最も多く約39万棟となる。その分布を図8に示した。

図8 「焼失棟数の分布」 図8 「焼失棟数の分布」

 この図は、図4「揺れによる全壊棟数の分布図」とほぼ重なりあっている。すなわち、揺れによる全壊が多かった地域では、火災による焼失もまた多いのである。約56万棟を壊し尽くし、約39万棟を焼き尽くす。上町断層地震はまさに恐るべき直下地震である。

(注)掲載した図および表は、特に明記のない限り、中央防災会議が公表した資料である。図6は国土地理院が発行する「数値地図50メートルメッシュ」の標高データを使って筆者が作成した。

あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください

SAFETY JAPAN メール

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。