探偵が探偵であることを忘れる日
わたしもビルのことを言えた義理ではないが、ビルもわたしもいささか幼児じみたところがある。他人の行動を探る私立探偵だというのに、自分の行動はあけっぴろげなところがあり、よく忘れものをする。
前に来日したときもカメラをタクシーの中に置き忘れたし、日本に来る前に立ち寄ったシンガポールで写した面白い写真一式を我が家に置き忘れていったこともある。
むろんわたしは、この貴重な写真をすぐにビルへ送り返してやったが、送り状には次のように書いておいた。
“Bill, Behave yourself you are under surveillance at all times here by squad of Japanese Secret Agent.”
ライオンのように、ひと仕事した後はのんびりと昼寝をきめこみ、長期間リラックスするビルだが、発想のユニークさと、いつまでも子どもっぽさを失わない好奇心あふれるロマンチストの彼は、実に愛すべき好人物なのだ。
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