身体の調子に合った運動を
クーパー博士はその自著、『エアロビクス』の中でも結論として次のように語っている。
「運動はいろいろな目的に使うことができる。人は自分で運動からどんな利益(効果)を得ようとしているのかを決めなければならない。もし筋肉隆々になりたいのが目的であったり、美しい身体になることを希望するならば、それらをボディービル、重量挙げやあるいは美容体操によって獲得することができるだろう。しかし、それはそれ以上の効果をもたらさないことに注意しなければならない。もし自分のねらいが、身体の健康ということであるとすれば、有酸素的体力整調運動の一つ、またはそれ以上の複数の運動を併せて行うことだ。それによって健康を獲得できるだろう。それと付け加えておきたいことがある。それは、これから運動を始めるに当たって、今、自分が、どのような身体状態にあるかを注意深く見て、それから運動に取り組むべきである、ということだ」。
70歳を目の前にしてわたしは、このクーパー博士のアドバイスをかみしめ、あくまでも、自分の身体の調子に合った運動をするようにしている。
幸いわたしの自宅兼事務所のある東京・目黒区内の自由が丘は散歩をする場所に事欠かない。自宅から東へ4kmで大岡山に、西へ4kmで都立園芸高校へ、南に4kmで多摩川台公園、そして北へ4kmで駒沢公園の北端へ到達する。片道4kmの道のりを往復すれば8km、ときに脇道へそれて、そぞろ歩きをしたりすれば、10kmはかせげる。
ウォーキングはジョギングと違って70歳の人間にも無理がない。または少々天候が優れなくとも歩くことができる。移り行く季節の草木、花々に目をやり、小・中学校の校庭から響き渡ってくる子供たちの元気のよい声、声、声に耳を傾け、自分が過ごしてきた越し方や、これからの行く末に心をとめて散策することは、無理なく、気張らず、焦らずにできる、Thoughtful Trainingであり、ほぼ毎日、わたしはこれを実行している。
経済的充実、身の安全の確立とともに、健康の維持を加え、わたしはこの三つをトリプルパワーズと称しているが、なかでも健康問題こそが、特にこれからの時代、パーソナル・リスク・マネジメントの基本中の基本にあるべきものと思っている。
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