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“江戸っ子”リスクマネジャーの「車座清談」

好ましいリスクマネジャーの資質はV.S.O.P

ビル・リコータ氏と伊藤 光隆氏

 さて一週間の会期も無事終了し、翌日帰国することになった我々は、あいさつのため、RIMS会長のスパイビー氏をホテル内スイートルームに訪ねた。

 夜10時を少し回っていたが、そのスイートルームには各国の40人ほどの RM 関係者が杯を傾けていた。

 彼らとしばし懇談し、いよいよ部屋を辞そうとしたところ、スパイビー氏が我々に何か歌ってくれとリクエストが出た。

 伊藤さんもわたしもミュージカルが大好きだ。そこで我々2人は“June is burstin' out all over”(6月はみな一斉に花開く)を声高らかに歌った。

 『6月はみな一斉に花開く』という佳曲は、わたしの好きなリチャード・ロジャースが「回転木馬」というミュージカルのために作曲した、勢いよく、なおかつ美しい歌だ。米国の6月は梅雨どきの日本と違って、好天気が続く一年でも最も良いシーズンである。

 ほかの客たちも一緒に歌ってくれた。それは素晴らしいこの年次大会の、アンオフィシャルなフィナーレでもあった。

 帰国して2週間目にわたしはスパイビー氏より手紙を受け取った。その手紙には次のように書かれていた。

 「今回の大会は100余に及ぶ各研究会のセッションがあり、満足すべき成果を得た。それにもましてわたしたちにとって楽しく、かつうれしかったこと、それは日本のあなた方が本大会のトップとアンカーの両走者の役割を果たしてくれたことだ。あなた方は『シンギング・セッション』に始まり、『シンギング・セッション』で会を締めくくってくれた。本当にありがとう」。

 リスクマネジャーにとって好ましい四つの資質は、V.S.O.Pだ。すなわち、バイタリティー、スペシャリティー、オリジナリティー、そしてパーソナリティーである。この四つの資質を備えた伊藤光隆さんは、その後、公文教育研究会の事故対策委員長を歴任され、83歳を迎えた今日でも東奔西走する多忙な日々を送っている。

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