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こころ豊かで安全な経営とは何か

第88回
急激な成長は会社を危うくする

株式会社武蔵野 社長 小山 昇氏
2008年1月15日

 会社の経営をしていて、「5年後に売り上げを倍にしたい」と思ったら、年間どれだけの成長率が必要になるでしょうか。答えは115%です。年商が1億円なら、今年は1億円×1.15で1億1500万円。来年は1億3220万円。このように計算すれば、5年後には年商2億円になります。3年で倍増なら126%です。

 毎年15~26%ずつ成長することは、難しいことです。多少無理をすれば達成できる会社もあります。実際、わたしの知る範囲でも数年で売り上げを倍にした会社の例は枚挙にいとまがありません。売り上げが倍になれば、資金的にも余裕ができる。さまざまなチャレンジも可能になる。よし、頑張ってみようか‥‥。そう考える社長も少なくないでしょう。

 しかし、こと中小企業にとっては、わずか数年で倍になるような急激な成長は実は両刃の剣なのです。特に飲食店や製造業など設備投資に多額の資金を要する業種だと、売り上げが倍になると倒産の危険が増します。それも、相当な高確率で。取引先銀行に低い格付けがなされている会社は、まず100%倒産する。

 なぜか? 理由はいろいろありますが、一つには「売り上げが伸びる」と「現金がある」は似て非なるものだからです。売り上げを伸ばすためには、相応の設備投資が必要になる。ところがそれらのコストが実質償却し、利益を生んでくれるようになるのは数年は先です。その間、社長は重い負担を抱えながら経営の舵を切っていくことになる。そうこうしているうちに資金繰りが悪化し、倒産するというパターンです。

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