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こころ豊かで安全な経営とは何か

第37回
無理やり「ありがとう」と従業員に言わせたら

株式会社武蔵野 社長 小山 昇氏
2007年1月19日

 以前、わたしはちょっと興味深いことに気づきました。最近の日本人は他人から親切を受けると、「ありがとう」ではなく「すみません」というのです。

 わたしはそのことに異議を唱えるわけではない。「すみません」とは、「お手間をおかけしてすみません」「お気遣いをいただいてすみません」という意味で使っているのでしょうから、謝意は謝意です。目くじらを立てるほどのことではないでしょう。人間の心理としては、「すみません」よりは「ありがとう」と言われる方がうれしいものです。

 社内でも「ありがとう」の文化を作ったらどうか。きっと「すみません」よりはコミュニケーションも円滑になり、よりよい職場環境、より効率的なワークフローが実現するのではないか。それはお客様満足度の向上にも貢献するのではないだろうか。そんな思いからスタートさせた取り組みが「サンクスカード」です。

 サンクスカードは、その名の通り名刺大の紙に感謝の言葉を書くものです。例えば同僚にちょっと手伝いをしてもらったときなどに、「××さん、忙しいときに手伝ってくれてありがとう」と書いて渡すといった具合にです。サンクスカードは全従業員が対象で、職責や入社年度は問いません。同僚同士はもちろんのこと、上司から部下に、あるいは部下から上司に渡すことも多い。

 サンクスカードで重要なのは、小さなこと、些細なことを見つけてほめることです。荷物を持ってもらったとか、ちょっとお使いに行ってもらったとか、そんなレベルのことでもいいのです。大口契約を取ったとか、売上を飛躍的に伸ばしたといったことは、もちろん「大いにありがとう」です。しかしそんなことは年に何度もあるわけではない。一方、小さな感謝なら毎日ある。大量の「ありがとう」が社内を飛び交えば、それだけ社内は明るくなり、コミュニケーションも良くなる。

 我が社は質より量を追求する文化です。量を追求すれば、ある一定のところで必ず質に転換します。

 
 

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