第151回
「それは先入観ではないか」と考えてみることの大切さ
株式会社武蔵野 社長 小山 昇氏
2009年4月7日
手で見て、口で聞いてリアルな情報を収集せよ
わたしは「真実は現場にしかない」が口癖です。お客様は何を期待しているか。営業の最前線で頑張っている社員は誰か。こうしたことは、社長室では絶対に把握できません。現場に行って見聞きするしかない。それを知るのは社長の仕事です。昨年、朝から晩まで会社にいたのは1日しかありませんでした。経営方針を決める上で、精度・鮮度の高い生の情報が必要です。現場で起こっていることを知らないで、また知ろうとせず、稟議を無条件で決裁するだけの社長は、遠からず会社を潰します。
日本中を飛び回って仕事をしているわたしですが、それでも5分、10分という空き時間を見つけては、実に頻繁に現場に足を運んでいます。今日は××支店、明日は○○営業所といった具合です。そして、直にお客様と接している社員やアルバイト・パートの話に真摯に耳を傾ける。こうして得られた情報と、わたしの社長としての知見とを重ね合わせて、我が社が執るべき「次の一手」を決めています。
現場で情報を得る場合にはいくつかのコツがあります。ひとつは「目で見るのでなく、手で触って見る」。物置は開けてモノに触る。書類は昨日のを一枚一枚めくってみる。「社長が営業所に来る」となれば、現場のスタッフは都合の悪い事は隠します。それは当然の人間心理で、一概には責められませんが、経営判断で本当に大切な情報とは、往々にして「都合の悪いもの」の中にあります。それを探り当てるのは、社長自らの「手」に他なりません。
もうひとつのコツは、「耳で聞くな。口で聞け」。これもまた当然の人間心理ですが、現場のスタッフが社長に具申する情報は「自分たちにとって都合のいいこと」です。こんなに頑張っています、これだけ新規契約を取りました、云々。しかし、もしかしたら10件の新規契約の陰に20件の解約があるかもしれない。これは社長が質問しない限りは、その場ではなかなか明らかになりません。
あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください
この連載のバックナンバー
- 我が社には1脚8000万円の椅子がある (2009/05/07)
- あなたの行動なくして状況の改善もあり得ない (2009/04/28)
- 社員から不平が出ないルールを定めるコツ (2009/04/21)
- 新卒社員に贈る「失敗のすすめ」 (2009/04/14)
- 「それは先入観ではないか」と考えてみることの大切さ (2009/04/07)

