バックナンバー一覧▼

こころ豊かで安全な経営とは何か

第151回
「それは先入観ではないか」と考えてみることの大切さ

株式会社武蔵野 社長 小山 昇氏
2009年4月7日

手で見て、口で聞いてリアルな情報を収集せよ

 わたしは「真実は現場にしかない」が口癖です。お客様は何を期待しているか。営業の最前線で頑張っている社員は誰か。こうしたことは、社長室では絶対に把握できません。現場に行って見聞きするしかない。それを知るのは社長の仕事です。昨年、朝から晩まで会社にいたのは1日しかありませんでした。経営方針を決める上で、精度・鮮度の高い生の情報が必要です。現場で起こっていることを知らないで、また知ろうとせず、稟議を無条件で決裁するだけの社長は、遠からず会社を潰します。

 日本中を飛び回って仕事をしているわたしですが、それでも5分、10分という空き時間を見つけては、実に頻繁に現場に足を運んでいます。今日は××支店、明日は○○営業所といった具合です。そして、直にお客様と接している社員やアルバイト・パートの話に真摯に耳を傾ける。こうして得られた情報と、わたしの社長としての知見とを重ね合わせて、我が社が執るべき「次の一手」を決めています。

 現場で情報を得る場合にはいくつかのコツがあります。ひとつは「目で見るのでなく、手で触って見る」。物置は開けてモノに触る。書類は昨日のを一枚一枚めくってみる。「社長が営業所に来る」となれば、現場のスタッフは都合の悪い事は隠します。それは当然の人間心理で、一概には責められませんが、経営判断で本当に大切な情報とは、往々にして「都合の悪いもの」の中にあります。それを探り当てるのは、社長自らの「手」に他なりません。

 もうひとつのコツは、「耳で聞くな。口で聞け」。これもまた当然の人間心理ですが、現場のスタッフが社長に具申する情報は「自分たちにとって都合のいいこと」です。こんなに頑張っています、これだけ新規契約を取りました、云々。しかし、もしかしたら10件の新規契約の陰に20件の解約があるかもしれない。これは社長が質問しない限りは、その場ではなかなか明らかになりません。

あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください

SAFETY JAPAN メール

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。