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こころ豊かで安全な経営とは何か

第141回
最高益でも手取り賞与を半分以下にした「心」

株式会社武蔵野 社長 小山 昇氏
2009年1月27日

 昨今、景気が大きく冷え込んでいることは衆目の一致するところでしょう。つい先日まで「戦後最長の好景気」「新卒は空前の売り手市場」などと報じられていたのが夢物語です。この1年で倒産した上場企業は過去最高を記録しましたし、企業が学生の内定を取り消したというニュースもマスコミを大きくにぎわしました。

 わたしがこういう事態になることを察知したのは2008年の8月です。その時わたしはA社の社長から相談を受けた。「これから我が社は『聖域なき経費削減』に取り組む」と。わたしにとってA社は先行指標の会社です。A社が業績を伸ばせば遅れて世間も景気が良くなる。逆にA社の業績が低迷すれば、ほどなくして世間も冷え込む。両者の因果関係を精査したわけではありませんが、そういう経験則をわたしは持っている。

 そのA社が「経費削減に取り組む」という。これは由々しき事態です。少々業績が低迷したところで会社の内部留保は厚いが、「経費削減」という受け身の目標を立てるところまで追い込まれていた。

 この時、既にサブプライムローンの問題は表面化しており、その悪影響が多種多様な業界に波及していました。もちろんわたしもそのことは承知していましたが、A社の社長の言葉を耳にして「これはいよいよ抜き差しならぬところまで来たぞ」との思いを強くした。果たしてそれから1カ月後の2008年9月15日、米証券大手のリーマン・ブラザーズが経営破綻しました。

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