社員を“もっと優秀”にするために
さて、最近になってわたしはこう考えるようになりました。「社長の間違った方針を即座に実行する社員は優秀だ」「しかし、そもそも社長が“間違わないようにする”ための情報を上げてくる社員はもっと優秀ではないか」と。
そこで我が社の経営計画書に「情報マネジメントに関する方針」と題する一項を設けました。そこにはこんな一文があります。「経営判断に必要なお客様の情報を吸い上げ、正しい決定を行なうために五つの情報項目を共通化し、進捗会議で活用する」。ここでいう「五つの情報項目」とは以下の通りです。
(1)数字の報告
(2)お客様の情報
(3)ライバル情報
(4)ビジネスパートナーの情報
(5)自分の考え
まず(1)の「数字の報告」。だれが、なにを、どれだけ売り上げたのか。どの部門ではどれだけの黒字を、あるいは赤字を計上しているのか。具体的な数字を報告し、社長以下幹部社員で共有します。数字に関する項目が最初に来ているのは、知りたくない現実を早く知るためです。
(2)の「お客様の情報」。お客様に褒められた。こういうおしかりを受けた。(3)の「ライバル情報」。我が社は地場の武蔵野地区では圧倒的なガリバー企業ですが、それでもさまざまなライバル会社が虎視たんたんと我が社のシェアを狙っている。どんなライバルが、どうやって我が社のテリトリーを侵しているのか。そのライバルはどういう体制で、どういう営業攻勢をしかけているのか。現場の生情報を、固有名詞を入れて具体的に報告する。
(4)の「ビジネスパートナーの情報」。主として仕入れ先の情報です。そして最後に(5)の「自分の考え」です。つまり社員が自分の見解を述べるためには、数字やお客様の情報といった客観的なデータを把握しておかなければならない。
これは特にわたしが厳しいということではなく、ごく当たり前のことだと思う。対前年と数字で比較しお客様やライバル会社の動向を踏まえていない「自分の考え」など、稚児の戯れ言です。そんなものが何の役に立つのか。実際、我が社が赤字の時には「自分の考え」ばかり優先されていた。
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