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こころ豊かで安全な経営とは何か

第5回
「言っても聞かない人」の操縦法

株式会社武蔵野 社長 小山 昇氏
2006年5月26日

禁煙することで年間50万円のプラス

 世間はいま、禁煙・嫌煙の流れに大きく傾いています。我が社もその例に漏れず、本社も支店も全館禁煙です。当然のことだと思います。たばこに百害あって一利もないことは医学的にも十分証明されていますし、副流煙は非喫煙者の健康を、喫煙者本人より害することも分かっている。

 わたしは社員に、この悪癖をなんとか止めさせるべく禁煙手当を出しています。管理職は年間30万円、一般社員は10万円です。今はたばこの値段もかなり上がりましたから、そのたばこ代を月1万5000円とすると、手当と併せて一年間でざっと50万円のプラスになる。ちょっと小粋な外国車のローンだって十分に組める金額です。ちなみに禁煙手当なんてものを出している会社、わたしは我が社以外に例を知りません。

 社員の嫌がることも具体的なメリットと組み合わせることで「強制」するのは、我が社の仕組みの特徴の一つです。かつてはスーツを着用するのを嫌がる社員にネクタイ手当を出していたこともあります。世界広しといえどもネクタイに毎月5000円の手当を出した会社なんて我が社くらいのものでしょう。このへんはいろいろと面白いエピソードもあるのですが、それは本稿の意図から外れますので詳細は別の機会に譲りましょう。

 話を戻します。このように手を打っていったおかげで、いまや我が社には喫煙者はほとんどいなくなりました。「ほとんど」というのは、年間50万円と健康の両方をフイにしてでもなお喫煙したいという素晴らしく強固な意志を持った社員がまだいるのです。

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