わたしの中にある「最後のご奉公」への情熱
もしこれが実現できるのであれば、全体をまとめる仕事はわたしが無料で引き受けてもいいと考えている。その原案は1993年11月に出版した「新・大前研一レポート(講談社)」の第五章「国家運営の再構築」に書いたとおりである。戸籍一つをとってもまだ紙ベースで、しかも国民のコモンデータバスは皆無である。紙が消失すれば、国家と国民をつなぐものはない。問題は年金だけではないのである。
こうしたことを考えて、14年前の上記著作で当時のIT技術を前提に戸籍から選挙に至るまでの広範なシシテム再構築を提言した。ネットワークとIT技術のその後の進展には目覚ましいものがある。一方、国家運営の仕掛けは当時から全く進展していない。
そういうことで、わたしが言い出しっぺなので、その任を買って出ようと言うわけだ。もちろん、もっと情熱と技術、そして優れた構想を持った人が、「自分がやりましょう」と名乗り出てくれれば、わたしは喜んでその人のサポートに回る。
わたしは1995年の都知事選・参院選のあと政治の世界からはいっさい足を洗った人間だ(「大前研一敗戦記(文藝春秋)」参照)。また公的な仕事は生まれてから一度もやっていない。現在は悠々自適で人材育成だけに注力している。あえて火中の栗を拾う必要はないのだが、古くから平成維新や地域国家論(道州制)を提唱してきたいくばくかの責任はある。その範囲で、こうした仕事を若干のエネルギーの残っている今のうちに「最後のご奉公」として果たそう、という気持ちはある。
誰がどういう仕掛けでこのような50人を集めてきて仕事を開始するのか、今のわたしには「構想中」としか言えない。隠しているのではなく、まさに分からない、思考中なので言えないのだ。
わたしには「ブレイン・JAPAN」という日本改革の50人の若者の結集、みたいな構想がある。本論で提案したシステム部隊はその中核をなす一部門であると思っている。遠からず全体像を提案できたらいいと思っている。「新・国富論(講談社)」以来わたしは日本の疲弊した社会・政治システムを変えるべく多くの提言をしてきた。そのほとんどが、まだ各党のマニフェストに盛り込まれているくらいの段階で、実現には至っていない。だから、もう提言をやめようという思いと、今度提言するときは、一気に推進する仕掛けを作ってからするぞ、という思いが交差する。
皆様の迷惑になるといけないので、提言は少なくしよう。ネット時代にふさわしい新しいやり方を考えたら、その段階でまた発言したい。
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