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「産業突然死」の時代の人生論

こんな「骨太」方針を作ったのは誰だ

 いったいどんな人たちがこの骨太方針を作ったのか。そう疑問を感じて、経済財政諮問会議のメンバーを見ると、意外や意外、しっかりした人たちの名前が並んでいるではないか。とてもあの骨太方針に見られるような支離滅裂で陳腐な意見を述べるような人たちではない。これはわたしの想像なのだが、実際にはあれは役人が勝手に作ったものであって、この会議のメンバーは(どういう理由かは知らないが)抵抗できなかっただけなのではないだろうか。

 何しろこの骨太方針は、じっくり考えて作ったものとは言い難い。むしろ思いつきのレベルである。わたしは一読して、「これは相当に頭の程度の低い人が書いたものだ」と感じた。なにしろ当たり前のことが分かっていない。先ほども解説したが、労働生産性を向上させれば失業者が増える。最低賃金を上げれば、日本を出て行く企業、人が増える。これらは当たり前の理屈だ。

 雇用については、「増やす」とだけ言い、その対策・方法には触れない。つまり、個々のアイデアを思いつきでまとめただけで、関連している事柄が矛盾していても気にしていない。そもそも雇用とは、ものすごく難しい条件の下でしか発生しないものなのだ。日本はこれまで雇用を守ってきた。市場開放すれば、日本のなかでは競争力を失って、失業者が山のように増える。

 この骨太方針を書いている人の頭の中では、相矛盾する事柄を総合的に判断して、その上で最適な答えを出すという経営では当たり前の脳細胞の回路・回線がつながっていないのだろう。だからこういう矛盾が発生する。

 学問の世界では最初に習うコースを“101”というのだが、これを書いたのが「経済学101コース」を出ていない人であることは間違いないだろう。「安倍政権初めての骨太の方針」と大きく出ても、誰の批判にも耐えない代物だ。もちろん世界の学者が読んだら、物笑いの種となり、ひいては安倍政権のブレインに対する低い評価となる。

 それにしても、新聞などが何の批判もなくこれを掲載するとはおかしいことだ。わたしは信じられない。本当だったら新聞記者が国民に成り代わって質問をしなくてはいけない。わたしがここで取り上げたような明らかな矛盾を、記者会見の場で突っ込むくらいはやってほしいものだ。

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