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第81回
全世界で地球温暖化に取り組むための処方箋

経営コンサルタント 大前 研一氏
2007年6月6日

 米国のゴア元副大統領の映画『不都合な真実』が世界的に大きな話題になるなど、いま環境問題、地球温暖化対策が注目されている。企業にとっても環境問題は無視できないものになってきた。「環境について配慮の足りない会社」と思われてはマイナスイメージが付くことになる。

 なにしろ、あるアンケートでは一般の人が企業に求めることの1位が環境問題だったという結果も出ているくらいだ。最近では、企業は事業計画を提示する際に「我が社では環境にこのように配慮しております」と一言、枕詞のように話す例も珍しくなくなってきた。

 逆に言えば、そうやって環境対策を前面に出さないと、一般消費者がその企業を受け入れてくれない風潮が出てきているのだ。この傾向は特にヨーロッパで顕著である。

 こういう流れの中で、米国でも大手金融機関が環境関連の大規模な投融資に乗り出すと発表した。シティグループでは、代替エネルギーを開発している企業に対し、今後10年間で500億ドルもの投融資をするというのである。500億ドルということは日本円にして約6兆円である。バンク・オブ・アメリカも同様に200億ドルの投融資を計画している。

 投融資先の代替エネルギー開発事業は、原油高や地球温暖化などの問題を解決するものとして、現在急成長している分野である。そこに投融資をすることで、金融機関にとっても「環境への取り組みをしている」というアピールがあるのだろう。こうすることで企業イメージを高め、消費者の信頼を得て、また就職したいという学生もたくさん集まってくる。

 ただ、非常に残念なことながら、現在の風潮は熱病のような一時的なものかもしれないとわたしは見ている。よく考えれば分かるように、環境問題は将来にわたって継続して活動していかないと解決しない。一時的な風潮ではいけない。果たしてそういう覚悟が企業にあるのかというと、かなりの心許なさを感じるのはわたし一人ではあるまい。

 それに一般の人や企業、国の多くは、環境問題を「マナー」としてとらえているように思われる。しかし、「モノを大切にしましょう」「自然を守りましょう」「海や川を汚さないようにしましょう」「タバコのポイ捨てはいけません」といったマナー改善のような提案で、現在の環境問題、地球温暖化対策ができるのだろうか。

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