システム会社が足を引っ張りかねない
労働生産性の低さについては、わたしは特にシステム会社に問題を感じている。システム会社は、企業から導入したいシステムの希望を聞いて、それに適応するソリューションシステムを開発して納品する。ところが現実には、よその会社とまったく違うシステムというものはそれほどない。業務内容がある程度似ているのだから、そこで利用するシステムも類似点はあるのは当然のことだろう。このため多くの国ではシステムを次第にパッケージ化し、むしろそれに合わせて業務のやり方を変えていく、ということが90年代に広く行われた。
ところが、日本のシステム会社は発注を受けたら、一品料理のようにその都度、テーラーメードのシステムを開発して納品しているのである。たとえ以前、類似するシステムを開発していたとしても、ゼロから開発したような顔をして、高い金額を請求している。これは企業だけではなく官公庁や東証のようなシステムでも同じである。
システム会社が“サイバーゼネコン”化し、それとともに彼らもまた競争力を喪失し、世界では勝負できないドメスティックな会社となってしまった。もちろん短期的に見ればその方がもうかるのだが、長期的に見れば日本全体の競争力、すなわち生産性の低下につながっているのだ。
米国と日本のシステム会社を比較すると、「日本の致命的な弱さに通じる」とわたしは強い危惧を感じざるを得ない。せっかく製造部門で労働生産性を高めても、そういうところが足を引っ張って競争力を失わせることになってしまうのだ。
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