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「産業突然死」の時代の人生論

第76回
日本の生産性を見直せ 1
~ 労働生産性は米国の7割

経営コンサルタント 大前 研一氏
2007年5月9日

 労働力を表す指標に「労働生産性」というものがある。これは一定時間内に一人の労働者がどれくらいのGDPを生み出すかを示すものだ。先日内閣府から2005年度の分析結果が公表されたのだが、それによるとなんと日本は米国の71%にとどまるのだという。ちなみに、ユーロ圏は87%、英国は83%、OECD加盟国の平均ですら75%である。日本はそれらの国よりも労働生産性が低いということだ。

 この分析結果を聞いて意外と感じた人は多いのではないだろうか。何しろ日本人は働き者というイメージがある。ところがその実態は、米国の7割程度しか労働生産性がなかったということなのだから。

 ただし、労働生産性を業種別に把握しようとすると違う一面が見えてくる。例えば製造業なら既に米国を超えているのだ。逆に低迷しているのは、卸・小売業、運輸などのサービス業などである。就業人口の65%を占めるサービス業の低い生産性が日本の国際競争力を弱めているといえる。この分野では2000年以降、米国との差が拡大傾向にある。

 これら製造業やサービス業など、さまざまな業種を合わせて平均をとると71%ということになるのである。

 実はサービス業については、昔はもっと差があった。そもそもこうした生産性の国際比較を開始したのは80年代のマッキンゼー・グローバルインスティチュート(ワシントンDC)であった。当時わたしはそこの創業者兼会長を務めていた。「ジャパン・アズ・ナンバーワン」がかまびすしく語られていたころの80年代半ばであっても、日本のサービス業の生産性は、米国を100とするなら40程度だった。それが今やっと50くらいまで向上したのだ。2000年以降は低迷しているといっても、昔に比べればマシになったのである。

 一方、製造業では鉄鋼や自動車などは100を超えていたが、非鉄金属、化学、食品、製薬などは米国の方が生産性が高かった。これらの業種でもかなり差を詰めてきた、というのが実体である。

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