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第71回
まじめな消費者に負担を強いる、サラ金/銀行の“不まじめ”

経営コンサルタント 大前 研一氏
2007年3月28日

 昨年(2006年)、貸金業規制法が改正されることが可決され、公布後約3年をメドに利息制限法の上限を守ることが決められたことはご記憶の人も多いと思う。この法律の施行に伴い、サラリーマン金融・信販系企業は、従来黙認されてきたグレーゾーン金利を採用することができなくなる。今この業界は、上限を超えた金利で契約していた利用客からの返却に迫られている事態に追い込まれているのだ。

 念のため、グレーゾーン金利について軽く触れておこう。これは利息制限法の上限を超えた金利のことだ。利息制限法では借金の額に応じて15~20%を金利の上限としている。それを超える金利は無効とされているのだが、別の法律である出資法ではもっと高い金利を認めていた。その間がグレーゾーン金利といわれるものである。前述したように以前は黙認されていたようなものだが、最近では取り立ての厳しさや返済の苦しさから自殺者が続出した。昨年の貸金業規制法改正の背景にはこうした社会問題がある。

 さて、信販会社の大手・オリエントコーポレーションでは、今期の業績が4579億円という巨額の赤字になる見通しになった。わたしも長らくビジネスコンサルタントをやっているが、こんな巨大な赤字額は目にした記憶はほとんどない。これほどの赤字を出すことになった理由は、先に述べた通り利息金利法の上限を超える利息の返還が急増したためである。

 その結果、この会社はどうなるのか。同社が発表した再建計画を見てみよう。

 まず「引当金大幅積み増し」である。まだ払い終わっていないが、かなり巨額の積み増しが必要だ。そしてみずほコーポレート銀行から支援を受けて、資本金を2900億円増強する。そのために2年後をメドに、オリエントコーポレーションはみずほグループになってしまう。他にも350人の希望退職、1300人の人員削減、営業拠点の削減(128拠点から68拠点へ)、社長と会長の退任も予定されている。

 だが、このような再建計画の骨子を眺めても、わたしにはあまり改善の気配が感じられない。結局この程度の計画では、どうにもならないのだろう。

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