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「産業突然死」の時代の人生論

不良債権問題は完全に解消したわけではない

 最後に、一言付け加えると、前述した、「金融庁の仕事がなくなってきている」と役人が信じている根拠は、全国の銀行の不良債権残高を見れば分かる。金融庁は2006年9月末で12兆3430億円だと発表した。半年で約1兆円、つまり8%も減少している。これをもって不良債権問題はほぼ終了し、金融システムは正常化したと自分たちの成果を言い立てたいわけだ。

 ところがこれは、わたしから見れば「嘘つけ」と言いたい発表なのだ。下のグラフを見ていただきたい。

 これは金融庁が公表し内容を図にしたものだ。不良債権のピークは2002年の40兆円となっているが、実際は違うとわたしは考えている。本当のピークは1996~1997年ごろであって、その額は150兆円と見ている。この表にある40兆円というのは、金融庁が認めた数字にすぎないのである。この間に預金者をごまかして金利を下げてきて、そのままワークアウトしてしまったのが実状だ。

 もちろん、不良債権が減少しているのは事実だ。だが、完全に終わったと安心できる状態でもない。主要銀行や全国銀行はだいぶ解消したものの、地方銀行の不良債権比率の平均は4.4%である。この数字はあくまでも平均だから、これよりもっと高いところもあるはずだ。まだ予断を許さない状況だということを忘れてはいけない。だから、いままでの金融庁のミッションをそのまま守れば、これからは主任務は地方銀行の方に主力が移り、小さな存在になる、ということである。

 そのような現実を踏まえて、今後の金融庁のあり方をより大きな観点から検討してみるべき時期だと思う。

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