道路特定財源、一般財源にしたら無駄遣いが増えるだけ
特区の閉塞状況と同様に、道路特定財源の一般財源化も難航している。これは小泉前首相の公約でもあったのだが、財務省、国土交通省の対立、自動車業界の思惑で、実現までこぎつけることができずに今の政権に委ねられたものだ。道路特定財源は、道路整備のために使うという建前で徴収される税で、税率も高いままずっと続いている。これを一般財源化して道路以外の目的にも使えるようにするのが一般財源化である。
わたし自身は、本質的には一般財源化するのに賛成だ。しかし、現在の役人たちのレベルの低さを見るにつけ、彼らに任せたら一般財源にしないほうがマシではないかと思っている。そもそも今、一般財源化を問題にするのは時期が遅れている。なぜ一般財源にしたかったのかを思い出してみればいい。小泉元首相の時代は税収が足りなかったから、足りない部分をどこから持ってくるかが重要な課題であった。そこで白羽の矢が立ったのが道路特定財源だったのである。ところが今は税収が回復して、役人たちは「今度は増えた分を何に使うか」と算段を始めている。
これに道路特定財源まで一般財源化したらどうなるか。無駄遣いする税金が増えるばかりである。だからわたしは、道路だけに使うほうがマシだと考えるのである。その代わり、一般道路だけでなく高速道路もガソリン税で賄ってしまうのだ。そのお金があれば、高速道路の通行料を無料にできる。それが10年も続けば、これまで資金不足で造れないと問題にされていた未着工の高速道路が全部造れるのである。
これにわたしの提案しているプレート課税(高速道路を走るのに年間1万円でプレートを買えば何回でも無料で走れる)を加味すれば30兆円近い道路公団の借金も向こう10年間で返却してしまえる。子孫にツケを残すことなく、道路公団も民営化することなく「解体」すればいいのである。
道路特定財源は、それらが実現するまでは道路だけに使う目的税にしておけばいい。それだけの余裕、ポテンシャルが道路特定財源にはあるのだ。それなら高いガソリン税を払う意味もある。
一般財源にするのであれば、国民にどういうメリットがあるかを明確にしてほしい。例えば、消費税、所得税、法人税を減らすなどがあるだろう。そういうトレードオフを示さないといけないのだが、いまのところ具体的な話は一切出てこない。
また、本来であれば、税収が増えるなら、新たな無駄遣いをするのではなく、借金を返していくのが当たり前だ。ただでさえ国および自治体は700兆円という巨額の借金を抱えている。にもかかわらず今の日本は国債の満期が来たら繰り延べているだけで、借金を減らそうという態度は見られない。そこが大きな問題だ。今から税収の増額分を何に使うかなんて考えていてはダメだ。米国のクリントン大統領の時代は、まず借金を返していき、景気回復を実現したのである。それを見習うべきだ。
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