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「産業突然死」の時代の人生論

第58回
改革の後退が起きている

経営コンサルタント 大前 研一氏
2006年12月13日

 小泉前首相の時代に様々な「改革」が実行された。その是非はさておくとしても、昨今の政治状況をかんがみるに、その改革が意味のないものにされつつあるように感じられてならないのだ。

 その一つが構造改革特区の存在だ。特区とは、規制緩和などの流れの一環で、法律などの制約を一部の地域で解除できる制度のこと。我々の生活や経済活動は、様々な法律や条例などで規制されている。その規制を試験的に緩めたり外したりしてみて、うまくいくと立証されたら全国的に展開してみようというアイデアだ。

 ちなみに、わたし自身は特区の制度には反対だ。わざわざ地域を限定することはない。最初から規制緩和、規制撤廃を全国的にやってしまえばいいのである。だが、ここではその話はしない。いま話題にしたいのは、その特区制度が危ういところにきているということだ。現在、特区の状況をみると、新規の提案が伸び悩んでいる。そのため政府もてこ入れをしようとやっきになって動いていて、その方策として出てきたのが試験的な一部の地域での活動を永続的にするということだ。

 つまり、うまくいったとしても、全国に波及させずに、ずっと限られた特区だけでやっていこうというのである。それでは特区の制度を導入した意味がまったくなくなってしまう。なぜそういう時代に逆行してしまうことを考え出したのか。それは役人が自分たちの利権、権限を手放したくないからだ。特区のままであれば、利権や権限を自分のところにとどめておける。だから、全国に波及させたくないのだ。

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