バックナンバー一覧▼

「産業突然死」の時代の人生論

孫社長はNTTが提供できないサービスで勝負すべき

 そこで私が孫社長ならどうするか。これを考えてみよう。

 まずNTTが一番苦手なのがトリプルプレーである。これは業界用語でインターネットサービス、固定電話、携帯電話を統合した価格設定を言う。ヤフーとソフトバンクテレコム(旧日本テレコム)を傘下に持つソフトバンクはトリプルプレーで月6000円ポッキリ、というようなサービスを提供することができるはずである。あるいは家族4人で1万8000円とか。そうなるとNTTは携帯がドコモ、固定は東・西NTT、インターネットと長距離はNTTコミュニケーションズ、と分かれているから統合サービスは提供しにくい。ソフトバンクはなるべくNTTが提供できないサービスで勝負すべきなのである。

 その後の戦略としてはVoIP(インターネット電話)の積極導入であろう。これでつなぎっぱなしのヤフーBBのインターネットラインを使って話ができるようになる。第三世代(3G)の設備投資が遅れているソフトバンクモバイルはこれから多額の資金がいる。安値攻勢を仕掛けている場合ではないのである。むしろ利用者の利便性やインターネットとの相性、法人向けのテーラーメードサービスMVNO(仮想移動体サービス事業者)などをソフトバンクテレコム(旧日本テレコム)とともに丁寧に作り込んでいくしかない。

※MVNO:自分では通信設備を持たず、他社から携帯電話などの無線通信インフラを借り受けてサービスを提供する事業者のこと

 いかに孫さんといえども「予想外」で一網打尽というのは弱者の戦略としては禁じ手である。ここは辛抱強く、しかしユーザーの声をしっかり聞いて戦略を再構築するしかない。

SAFETY JAPAN メール

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。