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「産業突然死」の時代の人生論

第55回
ソフトバンクが「子どものけんか」を仕掛けた理由

経営コンサルタント 大前 研一氏
2006年11月22日

 ソフトバンクが携帯電話会社ボーダフォンを買収し、ソフトバンクモバイルと名を変えて再スタートさせたのが今年(2006年)10月初め。時を置かず10月24日には携帯電話の番号ポータビリティ制度が始まった。

 念のため付記しておこう。番号ポータビリティ制度とは、携帯電話会社を変更しても、以前と同じ電話番号が使える制度。電話番号が変わることを嫌って電話会社の変更ができないというユーザーの意向を踏まえ、携帯電話市場の自由化、活性化を狙ったものだ。

 ソフトバンクが移動体通信業界に参入することが発表された当初、マスコミや業界関係者は「各社の動きは横一列」でほぼ一致していた。ヤフー!BBを携えてブロードバンドに参入したときに価格破壊を呼び起こしたソフトバンクの孫正義社長も、今回の移動体通信業界では暴れることはできないと見られていたのだ。

 ところが、番号ポータビリティ制度が開始する直前になって、孫さんは「自社加入者同士なら通話料0円、メールも0円」というゴールドプランなどの価格体系を発表。その料金も本来は9600円のところ来年1月15日までの加入なら2880円にするという『予想外割』などの割引プランを打ち出した。

 わたしは正直言って、これは感心しない。孫さんは今度こそ大人の試合をするはずではなかったのか。孫さんはヤフー!BBのときと同じく、またしても子どものけんかを仕掛けてしまったようにも思う。だが今回はそれはおこう。ここで問題として取り上げたいのは、孫さんの誤算についてである。

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