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第53回
道州制に移行しなくてはいけない真の理由

経営コンサルタント 大前 研一氏
2006年11月8日

 安倍総理は公約のとおり、道州制を実現するための計画案「新地方分権推進法案」を提出した。それによると来年2007年に有識者らによる推進委員会を内閣府に設置。翌2008年には推進計画を策定、2010年をめどに工程表を作成するということだ。

 やっとのことでスタートした道州制だが、実現するのは容易なことではない。なにしろ都道府県は明治の廃藩置県以来続いてきた制度である。その47都道府県を11の道州に減らしてしまうわけだ。これは単純に数が減るというだけの問題ではない。税や法律のしくみまで変わる大きな改革である。都道府県にまつわる利権は、国や市町村の利権よりも日本という国にこびりついている、と言っても過言ではない。大きな改革にはリアクションがつきものだ。だからこれから多数の反対派が出てきて、立ちふさがるのは間違いないだろう。

 変な言い方になるが、実現するために国民に理解してもらおうと説明すればするほど、反対派が増えるのが道州制の問題なのだ。むしろ国民に必要以上に説明などしないで、強引に推進するほうが実現する可能性が高いくらいだ。言ってみれば、小泉前総理のようなやり方だ。わたしはああいうやり方は好まなかったが、道州制に関しては、あのくらい強引に進めないと実現できない事業といっていい。

図は道州制推進連盟が示す区分案。この案では二つの特別州を含めて12に分割している。道州制推進連盟のサイトより

 なぜ道州制は実現が難しいのか。国民に説明するとなぜ反対派が増えるのか。まずこのことから説明しよう。

 
 

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