日本の出生数は6年ぶりに増加したが‥‥
さて、我が日本では、今年上半期の出生者数が前年同期と比べると1万1618人増えた。もし下半期もこの傾向が続けば6年ぶりに出生率が上昇することになる。婚姻も同様に、前年同期と比べると1万936件増加している。
このニュースを知って、「少子化に歯止めがかかった」という人がいるけれど、残念ながら「めでたい」と喜ぶには早すぎる。「景気がよくなったから、結婚や出産が増えたのだ」という意見もあるが、それも違う。
下の図を見てほしい。今回の調査で特に出産が増えているのは30~33歳の層だ。つまり第二次ベビーブームで生まれた子どもたちが遅れて結婚し、やっと子どもを産み始めたということなのだ。もう彼らの世代は子どもを産むことがないのだろうかと思っていたが、そうではなかったわけだ。
晩婚化して、遅ればせながら子どもを産み始めている。今までは第一次ベビーブームで生まれた子どもたちが、第二次ベビーブームを起こした。しかし、第三次ベビーブームは起こらなかったが、時期がバラバラになって、少しずつ産み始めたというのが今回の結果から分かることだ。
だが、これは長続きするだろうか。考えればすぐ分かるが、第二次ベビーブーマーは今30~33歳くらいの年齢だ。したがって、あと5~6年は彼女たちの出産が続くかもしれない。しかし、その世代が30代後半から40代になったら出産数が激減するのは明らかだ。つまり、今回の調査で出生数が増えたのは、残念ながら一時的なものにすぎないと言わざるを得ない。その後は、また出生者より死亡者の方が構造的に増えてくる。
日本で人口が減少していくことは、もはや避けられないことだ。何しろ増える要因がない。だからこそ、わたしが以前から言っているように、年間39万人という途方もない大きな数字を念頭に入れて手遅れになる前に能力の高い移民を受け入れる万全の準備や体制を整えておくことが唯一の解決策なのだ。そうしなければ、介護者がいない、工場労働者がいない、清掃などに従事してくれる人がいない、人件費が高騰する、という予想通りの結果になる。デモグラフィー(人口統計学)だけは10~20年先が明確に読めるのだから。
この連載のバックナンバー
- 「おまえもか!」と非難したくなる世界の経済対策 (2009/04/07)
- 買いたくてウズウズしている米国民 ―― 株は底か? (2009/04/01)
- ダメな金融機関をつぶしてよい理由 (2009/03/25)
- 再編が進む百貨店とコンビニ業界 (2009/03/18)
- 日本の景気対策に欠けていること (2009/03/11)

