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「産業突然死」の時代の人生論

すごいスピードで少子化が進む韓国

 次に韓国を見てみよう。韓国は最も少子化のスピードが速い国で、2005年の統計(暫定)によると、1人の女性が一生の間に産む子どもの数は1.08人と香港、シンガポールと列んで世界最低ランクだ。日本よりもずっと低い。このまま進めば、総人口は2020年をピークに減少していき、約152万人の労働力不足が起こり、潜在経済成長率は2040年代に0.74%に低下すると予想されている。

 そこで韓国では、2010年までに32兆ウォン(日本年で3兆8200億円)を投じて、子育てがしやすいように保育費の支援や育児施設の充実などを図っていく案を発表した。

図はWebサイト「社会実情データ図録」のページ(http://www2.ttcn.ne.jp/~honkawa/1550.html)より転載

 少子化の背景になっているのは、日本と同じく女性の社会進出が挙げられる。しかし、結婚に対する考え方、社会通念が日本と韓国では少し違う。韓国では少し前まで、女性が26歳を超えると結婚対象から外れてしまうという古い考えが一般的だった。これでは女性が怒るのも当たり前だ。

 女性も社会進出した結果、いろいろ世の中について学習してきているし、社会を支えてきている。それなのに、「女性を見る目がそんなのでは」と韓国の女性たちは怒っているのだ。このように社会の進歩に対して、男性の女性観、社会通念が追い付いていないのが、韓国における少子化の最大要因といえる。

 それに比べれば、日本はまだましといえるだろう。平均結婚年齢はどんどん上がって、女性は27歳くらいになった。32歳で未婚の女性が32%もいる。仮にその彼女たちが韓国に行ったら、もはや結婚対象には見られないわけだ。日本の方がまだ社会的には女性のプロフェッショナル化を容認しているといえる。

 
 

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