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「産業突然死」の時代の人生論

米国債を買い続ける日本・中国

 米FRBはまた、3月18日、FOMC(連邦公開市場委員会)で長期国債を今後半年で最大3000億ドル(約29兆円)購入することを全会一致で決定した。下の図を見ていただきたい。今年頭からの米国の10年物国債の利回りをグラフにしたものである。

米国の10年物国債の利回り(%、日)

 米国債はそれまで、買う人がいなかったために利回りが上がっていたのだが、買う人が現れて利回りが下がった。だれが買ったのか、と探すと、それは国民ではなく、FRB自身だったのである。これはまるで、たこが自分の足を食っているような状況である。

 さてその米国債であるが、下の図は、2007年1月からの米国債の資金流入状況を示したものである。一時、売られた時期もあるが(特に2008年11月は外国が大きく売った)、その後、12月、2009年1月と日本も中国も、若干ではあるが買っている。

米国債の資金流入状況(億ドル、月)

 いまだに米国債を買っている国があるということで、米国にとってはお金が戻ってきているという状況である。だが将来、米国債がデフォルトしてしまうと(その可能性は出てきている)、当然買った側は損をすることになる。買うときは米ドルで買っているわけで、貴重なドルを米国に渡して(不良債権化するかもしれない)米国債を受け取っている。もちろんドルの現金が戻ることは、米国の景気浮揚にとってはよいことだが、日本や中国にしたらデフォルトのリスクがついて回る。

 これが凶と出るか吉と出るか。とりあえず今の米国内は小康状態であるとはいえるだろうが、今後の成り行きいかんでは日本や中国には大きな影響を及ぼす可能性もある。我々は引き続き米国情勢を慎重に見守る必要がある。

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大前研一氏のコラム「「産業突然死」の時代の人生論」は、今回まで「SAFETY JAPAN」サイトにて公開して参りましたが、次回より、掲載媒体が「nikkeiBPnet」に変更になります。今後ともよろしくお願いいたします。また、大前氏の過去の記事は、今後ともSAFETY JAPANにて購読できますので、よろしくご愛読ください。

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