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「産業突然死」の時代の人生論

第166回
全体主義になっていく米国

経営コンサルタント 大前 研一氏
2009年3月4日

 このところ、米国の話題を立て続けに取り上げている。やはりこの国が立ち直るかどうかは世界にとって大きい。だからその政策には注意を払って見ていかなくてはいけないのだが、どうもその方向が、社会主義に振りすぎているように思う。前回 取り上げたバイアメンリカン条項もそうだ。だが、そうした政策を支持する心情が米国民にあるからこそ、それが政策にも表れているのだろう。

 2月16日付のニューズウィーク誌には “ We Are All Socialists Now(いまや我々はみな社会主義者だ) ” という記事が載っている。「社会主義者」たちの頭領はもちろんオバマ氏であるが、まさに米国は社会主義の対極にあったレーガンの時代から30年を経て社会主義化してしまったといえる。その一方でロシアは資本主義化し、構図はひっくり返っているといった様相である。

 米国はよくもしれっとこんなことが言えるな、とわたしは思う。自分たちは自由主義を打ち出し、社会主義との対決を図り、日本などを自分の陣営に引きずり込んであらゆる縛りを設けたくせに、ここへきて「いまや我々はみな社会主義者だ」などと言い出すのは実にふざけている。拙書『さらばアメリカ』の英語表題は “ So long, America! ‥‥until you come back to yourself ” であるが、これでは “ Good-bye, America!” に改めたほうがよさそうである。

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