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「産業突然死」の時代の人生論

チャプターイレブンの適用が日本に及ぼすもの

 一方、「ビッグスリーを救わない」という選択肢が選ばれ、GMにチャプターイレブンが適用されたらどうなるか? 日本にとってもあまり好ましいことではない。なぜなら日本の部品業者が100社ほど、血を浴びることになるからだ。なにしろ「いまGMに納入していない会社はない」といわれるくらいで、GMに相当深く依存している日系部品メーカーだけでも優に100社はある。

 かつて日本の自動車部品メーカーは「いずれはGMに納入したい」という夢を持ち、ミシシッピ川に沿ったところに工場を造って、南部の日本車メーカーに納入しながら、GMやフォードにも売り込みを図ってきた。それこそ命がけで何年もテストしてもらって、10年ほど前からようやく納入できるようになったという経緯がある。だから、部品メーカーにしてみれば「まさかこんな短期間で、ここまで大変なことになるとは」というのが偽らざる本音であろう。

 というわけで米国民の思惑とは裏腹に、日本の立場からすればGMには存続してもらうのが有難いわけだ。

 米国家によるGM救済という方法もあるが、これは際限がない。仮に今の時価1000億円でGMを買ったとしても、その後は毎年2兆円つぎ込まないといけなくなるからだ。これは労働債務の保証を求める人たちが「あきらめない」ためだ。

 例えば今回の米国議会が提示した救済の条件として、GM社員の給与をトヨタ並みにするというものがある。すると労働組合は「とんでもない。なにを言っているんだ。だから共和党は嫌いだ」と言って、この期におよんでもまだ戦う姿勢を見せているありさまだ。

 ではどうするのか。国家による救済は非常に厳しいとすれば、それこそ前回の当連載でわたしが述べたように日本勢が救済に入るのだ。そして(V字回復の期待から)株価をドンと上げたうえで時価発行によって資金調達をし、その資金で労働債務を一気に買い取ってしまう、つまり全部払ってしまう。こういうやり方をするしかないだろうと思う。

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