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「産業突然死」の時代の人生論

ビッグスリーを「救わない」という選択肢に気づいた米国民

 トヨタに比べると、やはりビッグスリーの台所事情は相当に苦しい。それを示すのが下のグラフだ。

GM、Fordの財務基盤、および株価推移

 GM・フォードは、両社とも実質的に債務超過状態である。フォードの手元流動性が結構あるのは意外といえば意外だが、これは2007年末の時点で資金調達をしているからだ。フォード傘下のボルボなど有力ブランドを売却するともう少し金が入ってくるだろう。

 このビッグスリーについては、米国の議会でも問題になっているが、「救済しない」という案が有力になっている。その場合は、チャプターイレブン(※)の適用となる。日本でいう民事再生に近いやり方だ。これによって債権債務を整理してしまい、できれば労働債務も切ってしまい、新たに生まれ変わるのが楽だと考えている米国人は非常に多い。

※ Chapter 11:合衆国連邦倒産法第11章のこと。さらには当該条項に基づき行われる倒産処理手続を指す

米自動車ビッグスリー救済の現状

 逆に「救済する」となると、これは納税者が救済するということになる。だが、その納税者の6割は「経営に失敗した企業を救う必要はない」と、非常に厳しい見方をしているのが現実だ。「米国の宝だからGMを救ってくれ」という人は、現在ではほとんどいなくなっている。

 これは80年代の日米貿易戦争のころの自動車論争とはまるで違う。日本勢は、いまや米国で250万台以上の車を生産している存在だから、国民の意識も従前とはまったく違っているのだ。また組合の強い米中西部に拠点を置くビッグスリーに対して、日本勢はミシシッピ川の下流域、いわゆる組合組織のない南部が中心だ。今回の上院での公聴会でビッグスリー救済に対して批判的な意見を出したのも南部の議員たちだ。彼らはデトロイト勢がつぶれた方が自分の州の雇用が増えると本気で考えている。別に日本びいきとかそういう問題ではなく、本当に地元の雇用のためになるという観点から発言していたのだ。そのくらい日本車のトランスプラント(現地生産)は米国に深く食い込んでいる、ということでもある。

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