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「産業突然死」の時代の人生論

金融危機から2カ月遅れで新車販売台数が落ち込んだ理由

 さて、この先、どうなるか。まず、実需と雇用の問題を考えてみたい。下の図は昨年の新車販売台数の推移である。

新車販売台数対前年同月比(2008年1月~、%)

 一見して明白なのは、米国自動車業界の見事なまでの衰退ぶりだ。ほぼ1年を通してついに1度もプラスになったことはない。そればかりか、多少の増減はあるとしても月を追うごとにマイナスが拡大し、2008年11月の時点では実にマイナス36.7%に達している。

 ちなみに新車販売台数が対前年比でマイナス4-5%になると、ディーラーの経営が成り立たなくなるといわれている。マイナス36.7%だったらディーラーどころか何も成り立たないだろう。

 米国ほどではないにせよ欧州、そして日本もかなり派手に落ちている。一方、中国・ロシア・ブラジル・インドなど比較的堅調だったが、それでも11月になると例外なくマイナスになっていることに気づく。これは9月のリーマン・ショックの発生から2カ月が経過して、ようやくこれらの国の富裕層は「何かやばそうだ」と気づいて出費を控えるようになった、ということだろう。もちろん銀行がローンを出さなくなった影響も既に顕著に出ている。しかし新興国ではクルマを所有したいという願望はまだ強いので、先進国のように買い控えではなく、単に先立つものがないというのが需要減衰の原因と見られる。

 続いて、日米主要メーカーの米国新車販売台数を見てみよう。下の図だ。米国はGM・フォード・クライスラー、日本勢はトヨタ・ホンダ・日産。日本のほうが若干傷は浅いとはいえるが、各社とも前年同月比で大きく下落している。

日米主要メーカーの米国新車販売台数

 さて、これから各社はどうなるか。前回の当連載で述べたサマリタンになる道はあるのか。

 トヨタにとって、それはかなり苦しい(もちろん余裕は全然違うが)。トヨタは、あれだけの規模の会社でありながら、実は手持ちのキャッシュが2兆円「しか」ない。これは世界中でいっせいに工場建設をしていたためである。ただ、それだけ投資しているのだから減価償却分のキャッシュフローは豊富にあるはずだ。だからトヨタは、しばらくはやっていけるだろうと思っている。

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