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「産業突然死」の時代の人生論

金融商品の輸出にも認証を

 今回の危機について世界的に議論すべきことは何か。まず一つ目は、米ドルの基軸通貨としての信頼をどう復活させるかということだ。これは日本にとっても大問題だ。米ドルが下落すると、ドルを多く保有している日本は大きなダメージを受けるからだ。もう一つは金融商品の輸出についての取り決めだ。

 我々が自動車やテレビなどの製品を輸出するというときにはチェック機構を経る必要がある。例えばテレビを米国に輸出するときには、UL(※)というところで規格を得て、米国で売っていいという認証を得る。欧州にも欧州基準がある。このように、製品では、簡単に輸出入は許さない。薬も認可したものしか売ってはいけない。ところが金融商品にはそうしたチェックの関門がなかったということが分かったのだ。

※ Underwriters Laboratories Inc.:米国保険業者安全試験所。材料や装置、機器などの品質検査を行い、一定基準をクリアした製品に対してUL認証マークの使用を認める

 サブプライムの商品は世界で300兆円ほどばらまかれた。これほど大きな商品がなぜ世界中にばらまかれたのか。ご存じのように、これらは健全なプライムローンと混ぜてミートホープ状態にし、これを米国のモノラインと呼ばれる保険会社が保証した。この保証を受けて米スタンダード&プアーズ社は、なんとトリプルAの格付けをしてしまった。このように、米国発の大本営発表だけで世界中に売られていったのである。

 例えばゴールドマン・サックスは「グローバル・エクイティ・オポチュニティーズ(Global Equity Opportunities:グローバルで公明正大な株式のチャンス、の意。なんとも皮肉である)」の名称で世界中に売りまくった。こんな名前ではサブプライムローンなのかどうか、安全な金融商品なのかさえも分からない。

 つまり、金融商品が国境を越えるときのルールがまったくない、米国の私的格付け機関のレッテルをそのまま信じて購入していた。わたしは、この点に問題の本質があると思う。金融商品が国境を越えるときには、国際的な格付け機関をつくり、そこを通さなければならない。格付け機関というよりは品質保証(QA)機関と言うべきだろうか。金融商品の中身を分析し、その品質を保証する機関だ。わたしはよく「ウールマーク」と比喩的に言っているのだが、要は「これはウールまがいではなく、本物のウールです」と認定するような、そんな国際的な機関が必要なのだ。

 CDO(※)という金融商品は、もともとマッキンゼー・アンド・カンパニーの元コンサルタントであるホアン・M・オカンポとジェイムズ・A・ローゼンタールが80年代に提唱したものだ。確かに複雑な商品で素人には分かりづらいが、彼らのような人物を5、6人そろえればこの中身を検査することはできる。早急にしかるべき機関を設置すべきであろう。

※ 債務担保証券。しばしばサブプライムローン債権が担保となった

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