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「産業突然死」の時代の人生論

日本にかつてないチャンスが訪れている

 日本の自動車メーカーでは、日産の経営状況があまりよくない。親会社であるルノーは欧州では最悪の状況で、カルロス・ゴーン氏の経営手腕についても「日産の建て直しはグッドラックだった」と喧伝されつつある。あと半年もすれば彼の名声は失墜するだろう。いまならまだゴーン氏のネームバリューはあるだろうから、彼がビッグスリーのどこかへ行って、V字回復を成し遂げるという期待で株価を戻し、そしてレガシーコストを払ってやるということもできるとは思う。

 GMの面倒をトヨタが見るとしてフォードはどうするか。わたしは「マツダが買うべきだ」と思っている。なにしろ両社には大変よい信頼関係がある。去年の11月にフォードはマツダの発行済み株式33.4%のうち約20%を売却したけれども、フォードが最後まで売りたくなかったのはマツダだった。

 だから、いまマツダが、国策ファンド数兆円といくらかの米国資金とともにフォードの救済に乗り出してやる。経営は、関係が良好だから問題ないだろう。そして再建を図り、最終的にはマツダがフォードの筆頭株主になった段階で、持ち株を大幅に下げる。日本や米国の国策ファンド(SWF)は持ち株を売却し大きなキャピタルゲインを得る。日本円が強い「いま」ならこうした戦略を比較的簡単に実行できるし、米国民の反発はないだろう。

 日本が80年代末のバブル期に、三菱地所がロックフェラーセンターを買ったとか、ソニーがコロンビア映画を買収したとかいうような征服的な買い方ではなく、サマリタン的な救済としての買い方。これこそがいま日本にできることであり、世界において求められていることではないだろうか。また、これらの「救済」には国策ファンドが投入されているのだから、救済された企業の経営再建とともに株価が上昇すれば、当然日本も米国も潤う。

 このほかにも、例えば鉱山会社を5-6社は買うことができる。ロシアのガスプロムでさえも資金不足から政府に救済を要求している。ウクライナの通貨フリブナは去年1年間で70%も下落している。同国の銀行はいま、実質的に閉鎖状況であり、鉄鉱、鉄鉱石、石炭などの企業が超廉価になっている。もちろん農業関係の巨大な企業も、いわゆる穀物メジャーも良質のものが安く買える。

 こうして日本は世界で唯一「強い通貨を持つ国」としてエネルギーや鉱物資源の問題を克服し、さらに食糧の問題にも資本参加という形でめどをつけるのである。日本にはいま、100年来欠乏で苦しんできたものを手中に収める、かつてないチャンスが訪れているのだ。

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