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「産業突然死」の時代の人生論

第151回
グルジア紛争にマケインの影

経営コンサルタント 大前 研一氏
2008年10月22日

 「鉄のカーテン」という言葉からもうかがい知れるように、かつてソ連と米国は宿命的なライバル関係にあった。ところが1991年にソ連が崩壊してロシア連邦となって以来、旧ソビエト連邦だった国のうちいくつかは親西欧の立場を取るようになってきている。グルジアやウクライナがその代表格だ。グルジアのサーカシビリ大統領、ウクライナのユーシェンコ大統領は親欧米派の姿勢を明確に打ち出している。

 グルジアについては今年(2008年)の8月にロシアとの紛争で世界を騒がせたばかりなので、記憶している読者も少なくないだろう。

 この国には、分離独立を求める南オセチア自治州がある。ロシア連邦政府は以前からこの南オセチア自治州に平和維持軍を駐留させ支援していた。そして8月にグルジアは南オセチア自治州に侵攻、ロシアもグルジア領内にまで軍事介入し、両軍の間で紛争が起こったという事件である。このグルジア紛争をロシアと米国の新しい冷戦と見る向きもあった。これについては当連載の第144回『グルジア紛争を巡る露・米・欧の立場』で詳しく解説しているので参照していただきたい。

 今、その紛争の余波がウクライナに飛び火しているのだ。その発端はロシアのRTR(エルテーエル:ロシア連邦国営放送局のチャンネルの一つ)のスクープである。「グルジア紛争の際に、ウクライナのユーシェンコ大統領が、グルジアに武器を提供していた」とすっぱ抜いた。いわく、グルジア紛争が始まる2週間ほど前に、ユーシェンコ大統領が、自国の軍隊が持っている武器一個師団分をグルジアに貸していたというのである。RTRは貸与した武器のリストを入手し、またそれを承認したユーシェンコ大統領のサインまである、と報じている。

 つまり、これまではグルジアのサーカシビリ大統領が、背後に米国(軍事顧問)がいることを頼みに、勇み足で南オセチア自治州に侵攻したと思われていたわけだが、さらにウクライナまでが軍事協力していたということが明らかになったのだ。

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