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「産業突然死」の時代の人生論

石油を移送するルートとして重要なグルジアの地域

 もう一つ頭に入れておいてほしいのは、油のルートだ。下の地図を見てほしい。カスピ海にACG油田がある。ここから産出される石油がバクーという街に集められ、アゼルバイジャンやグルジアを経由して各国に運ばれている。

グルジアとロシアとの紛争地域(3)

 グルジア自体には国際的な力があるわけでも、資源があるわけでもないが、この油のルートがあるがために戦略的重要性が生まれているわけだ。ここに、各国がこの地域の紛争を放っておけない理由がある。この油にはすべての国が恩恵を受けている。だからこそ紛争が勃発した段階で、フランスのサルコジ大統領、ドイツのメルケル首相、トルコのエルドアン首相などが相次いでモスクワを訪問して対応策を模索した。背景にはひとえに油の事情があってのことだ。

 ロシアは現在、旧ソ連諸国に石油や天然ガスを格安で売っている。EUに入ったグルジアには、当然、料金をEU並みに請求するだろう。いまの倍近い値段であるから、その時点でグルジアはかなり苦しい「現実的な選択」を迫られることになる。

 いずれにせよ今回の紛争で目立った動きを見せたのは、欧州勢とロシア勢だ。両者の間で頻繁に会議が開かれたのは周知の通り。こうしてEUとロシアが主導権を握って解決に向かうかぎり、何とか収束へ向かうのではないだろうか。

 半面、愚かさが目立ったのは、グルジアと米国だ。グルジアにとっては米国が頼りにならないということが骨身にしみたことだろう。逆に米国側に立って見れば、グルジアの勇み足に巻き込まれた形だ。もし本当にグルジアから何も知らされることがなかったのなら、米国も気の毒なことなのだが。

 もっとも、対応があれだけ後手に回ったのだから、本当に何も知らされなかったのかもしれない。とはいえグルジアが南オセチア自治州に侵攻したのは米国の後ろ盾が陰に日向にあったからに違いない。その点ではあまり同情する気にもならないのだが。

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