第144回
グルジア紛争を巡る露・米・欧の立場
経営コンサルタント 大前 研一氏
2008年9月3日
今年(2008年)8月7日、東欧のグルジアは、分離独立を目指す南オセチア自治州に侵攻して攻撃を開始した。それを受けて翌日にはロシアが報復的に軍事介入して、両軍が衝突。ロシアのメドベージェフ大統領は国際的な非難を受けて12日になって軍事作戦を終了させる考えを表明した。そして16日には和平案に署名することで停戦の成立となった。
もともとグルジアにおける南オセチアは紛争の種を含んでいた。昔は旧ソ連の一部であったのだが、1991年にグルジアは独立。その際、南オセチアもグルジアの一部とされた。ところが民族的にはイラン系のオセット人が主体の南オセチアはグルジアとは異なり、むしろロシアの一部である北オセチアと似た歴史背景、人種構成をもつ。
そのため、南オセチアは常に独立を希望し、これまでに何度も独立闘争を繰り返してきた。現在では、独立は認められていないものの、グルジアのなかの自治州として扱われている。こういう流れを見ると、グルジアは南オセチアを昔から自分たちの領土であるかのごとく主張しているが、実はそうではないことが分かるだろう。
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