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「産業突然死」の時代の人生論

第135回
サマータイム導入を面倒くさがる日本

経営コンサルタント 大前 研一氏
2008年7月2日

 「サマータイム」という言葉を聞いたことのある読者は少なくないと思う。これは昼間の長い夏季に時計を1時間早める習わしのことで、欧米を中心に世界のいろいろな国々で導入されている。夏は日が昇るのが早いので、時計もその分早く進めてアフター5を有意義に過ごそうというわけだ。

 ここ数年、政財界を中心にたびたび「日本でもサマータイムの導入を」という話題が上がり、そしてその都度立ち消えになっている。最近では今年(2008年)6月9日、自民党が政調全体会議を開いた。サマータイム法案の扱いを谷垣禎一政調会長に一任することに決めたのである。これはもう「日本でサマータイムは実現しない」とイコールだ。

 何しろ谷垣氏といえば、大蔵省時代から「(財政再建と増税以外は)ミスターやらない派」の名前をほしいままにしていた人物である。彼に一任となれば、サマータイムが導入されることはないと見たほうが正しい。せっかくサマータイム導入に向けた機運が高まりつつあったのだが、導入しないことが確定したといってよいだろう。

 事実、その谷垣氏は「まだ議論を煮詰めないといけない。民主党とどう連携するかも考えないと」と発言した。このことから、本国会での法案提出は見送られた。この経緯からサマータイム導入のムードが再度盛り上がる機会は、もはや簡単には訪れないだろうとわたしは思う。

 ちなみにわたしは、サマータイム導入については大賛成である。何を隠そう、20年以上前からわたしは著書などで事あるごとに導入するべきだと主張しているくらいだ。当『SAFETY JAPAN』では、森永卓郎氏がサマータイム導入反対の論陣を張っている。もとよりわたしは森永氏にけんかを売るつもりは毛頭ないが、ここで従来のサマータイム反対の論議とは異なる視点を提出してみたいのである。

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